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2014年05月20日

リンゲル液の大切さ

 「リンゲルを打ちましょうネ」・・・看護師さんに云われたら、
お年を召された方なら点滴(電解質)の事であるのをご存じである。

 医療の進歩は多くの偶然が重なるが、リンゲル液の発明もそれに似る。

大塚製薬の同薬報によると、
現在の電解質液は動物実験中に英国医師、シドニー・リンガーの弟子が
誤って使用した水道水が起源であると記載されている。

カルシウム・ナトリウムなどを混ぜた、いわゆる電解質、
生理食塩水が「リンゲル液」の源となっている。

その割合は時代と共に変遷を重ね、リンゲル液の発達で心電図が開発され、
現在ではスポーツドリンクへの応用となるのは興味深い。

 但し、何事も偶然のみで全てがうまく運び、
ここ迄の発展に至るのではない。

そこには何故、誤って使用した水道水が心臓に力強さを与えるのか?
限りなき探究心があって始められた偉業である事は間違いない。

 当院の若い看護師さんに聞いてみたら、リンゲル液を知らなかった。

 我々、医師は新しい医学を学ぶと同時に、
過去の偉大なる先駆者の足跡を知る事こそ学びの尊さを知る事が出来る。

リンゲル液の大切さ




Posted by 形成会 当山美容形成外科 at 09:35│Comments(0)
 
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