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2014年05月21日

細菌学者と外科医

 近代外科手術に大きく貢献したのは、麻酔の進歩と無菌法の2つである。

今回は手術室の無菌法の始まりについて記述してみたい。

 ジフラリア・コレラ・ペスト、細菌への挑戦に勝利を導いた一人が
フランスのルイ・パスツールである。

 彼は空気中に種々なる細菌がいると発表し、
伝染病の撲滅に貢献した大家であるが、この事に注目したのが
イギリスの若き外科医、ジョセフ・リスターである。

当時、術後の感染症で亡くなる患者さんは多く、外科医の悩みの種であった。

パスツールの研究を聞いたリスターは、
手術室全部に防腐剤を撒けば空気中の細菌はいなくなると実行した。

後日、術後の感染が極端に減った結果、
リスターはパスツールに感謝の手紙を送っている。

 最近は空気感染と共に、接触感染を防ぐ無菌法へ流れは変化したが、
大学など手術室の幾つかに、部屋中すべて無菌と云う特殊な手術室が
あるのはその為である。

 フランスとイギリスが戦っていたナポレオン時代、
パスツールは「科学に国境はないが、科学者には祖国がある」
意味深長な言葉を残しているのは興味深い。

細菌学者と外科医




Posted by 形成会 当山美容形成外科 at 10:46│Comments(0)
 
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